COLUMN
健康コラム
500字で読むクスリ
2025.04.02
脳や心臓の疾患リスクを減らす、魚の健康効果
- さかなの日
- 健康効果
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 脳卒中

毎月3日~7日は、水産庁によって制定された「さかなの日」であることをご存知でしたか?これは、世界的には魚介類の消費量が増加している一方で、魚介類の消費量が減少し続ける我が国の現状を打開するために設けられたもの。2023年度版の『水産白書』によると、日本人1人当たりの魚介類の年間消費量は2001年度の40.2㎏をピークに急激に落ち込み続け、2022年度には22.0㎏という数字を記録してしまったのです※1。
水産資源に恵まれた日本で積極的に魚介類を食べることは、SDGsの目標12、「持続可能な生産消費形態を確保する」につながるとも言われています。しかしそれ以前に注目したいのが、魚介類を摂取することによる健康の維持と増進効果です。

魚介類の多くが、高たんぱく・低カロリーであることはよく知られています。特筆すべきはそのたんぱく質が、9種の必須アミノ酸をバランスよく含む良質なものであることと、大豆たんぱく質や乳たんぱく質と比べて消化されやすく、人体に取り込まれやすいという特徴がある※2ことです。
これに加えてさまざまな研究により、数多くの健康効果が認められることも分かってきました。特にマグロやブリなどの青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)には高血圧などの予防効果が期待され、DHA(ドコサヘキサエン酸)には血管の老化である「動脈硬化」の予防改善効果が期待されます※2。加齢や高血圧・高血糖などが原因で起こる動脈硬化は、近年日本人に増加中の脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気の発症リスクを高めます。これらの病気は要介護や突然死につながることにもなりかねないため、動脈硬化の予防や悪化抑制に努めることが肝心なのです。
また、DHAには胎児や子どもの脳の発達への効果が期待されます※2。さらにDHA以外にも、サケ、オキアミ、サクラエビ、マダイに含まれるアスタキサンチンの免疫機能の向上作用※2など、魚介類に含まれる健康効果が期待できる成分はまだまだあります。つまり、大人だけでなく子どもにとっても、魚介類を食べることはとても重要なのです。
調理や食べるのが面倒、調理後の手やゴミの臭いが気になる……そんなことを理由に魚を食卓から遠ざけてしまうのは実にもったいない話。魚料理のレパートリーや調理に自信がない方は、これを機に水産庁のレシピサイトおさかな料理のレシピなどを活用したり、スーパーなどで売られている調理済みや下処理済みの魚を取り入れたりしてみてはいかがですか? 今から少しずつでも魚のある食卓を定番化して、「体の中から健康」を目指しましょう。
参照資料
※1 水産庁「令和5年度水産白書」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R5/attach/pdf/240611-5.pdf
※2 水産庁「平成30年度水産白書」https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h30/attach/pdf/30suisan_3-4.pdf
・毎月3日から7日は「さかなの日」
https://sakananohi.jp/