COLUMN
健康コラム
500字で読むクスリ
2025.01.10
研究で明らかになった、「睡眠不足だと太る」のメカニズムとは⁉
- ダイエット
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- 生活習慣病
- 睡眠不足
ヒトは、人生の約3分の1を眠って過ごします。「眠ること」は心身の休養に欠かせないだけでなく、記憶や気分の調節、さらには免疫機能の向上など、さまざまな精神機能や身体機能に関連していると言われています。
世界的に見て睡眠時間が最も短い*と言われる日本人には耳の痛い話ですが、慢性的な睡眠不足は体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼします。これにより、「睡眠不足だと太りやすくなる」という説も正しいことが分かってきました。健康な人が1日10時間たっぷりと眠った時と睡眠不足(4時間睡眠)が2日続いた時とを比較すると、睡眠不足の状態では、食欲を抑えるホルモンである「レプチン」の分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモンである「グレリン」が増えて食欲旺盛になります。このように、たった数日の睡眠不足が食欲にまで影響する調査結果が出ています。
また、本来は就寝中であるはずの夜間に食事をとることは、生活習慣病の原因のひとつになると推測されています。夜間には、体内時計を調節する遺伝子が合成するタンパク質が活性化します。このタンパク質は「脂肪を蓄積し、分解を抑える」という作用を持っているため、夜食べることで脂肪が蓄積されやすくなるのです。このように「夜食べると太る」という私たちの経験則も、正しいことが科学的に証明されてきました。ダイエットを成功させたければ、睡眠不足や不適切な時間の食事は禁物。さらには心身の健康のためにも、適度な睡眠時間の確保と良質な睡眠をとることを心がけたいものです。
*OECD, Gender data portal 2021: Time use across the world
参照資料:
・厚生労働省 e-ヘルスネット「健やかな眠りの意義」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-001.html
・厚生労働省「睡眠時間の国際比較」
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/backdata/01-01-01-23.html
・厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-008.html